この木なんの木の正体とは?ハワイの場所や花と現在を徹底解説
テレビから流れる「この木なんの木 気になる木」という耳馴染みのあるメロディ。1973年の放送開始以来、半世紀以上にわたって日立グループのCMとして日本人の心に刻まれてきたシンボルツリーは、世代を超えて親しまれる屈指の名作CMです。青空の下に広がる圧倒的な大樹の姿を目にするたび、「一体どこにある、どんな木なのだろう」と興味をそそられた経験は誰にでもあるはずです。
あの巨大な木は実在する植物であり、現在もハワイの地で力強く枝を広げています。CMソングに登場する「見たこともない花」の正体や、作詞・作曲を手がけたレジェンドたちの誕生秘話、さらには歴代CMの知られざる変遷まで、長年抱いてきた疑問の数々を解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 正体と場所:樹種は熱帯雨林原産の「モンキーポッド」で、ハワイ・オアフ島の「モアナルア・ガーデン」に実在する。
- 花の真相:CMの大木からは見えにくいものの、初夏と秋にピンクと白の可憐な糸状の花を実際に咲かせる。
- 名曲の背景と現在:小林亜星と伊藤アキラの名コンビが生んだ名曲であり、日立グループの支援により現在も現地で大切に保護されている。
【樹種の正体】「この木なんの木」の正体はモンキーポッド!特徴と驚きの生態
日立のCMに登場するあの印象的な巨木の植物名は、マメ科ネムノキ亜科に属する「モンキーポッド(Monkeypod)」です。学名をSamanea samanと呼び、和名では「アメリカネムノキ」という名前が付けられています。中南米の熱帯地域が原産で、現在ではハワイや東南アジアなど世界中の熱帯・亜熱帯エリアに広く植樹されています。
モンキーポッド最大の特徴は、まるで巨大な傘を広げたかのように左右対称に美しく広がる枝ぶりです。日差しが強い熱帯地域において、心地よい木陰を作り出す緑陰樹として重宝されてきました。
もう一つのユニークな特徴が「就眠運動」です。日の出とともに葉を開き、日没が近づくと葉を閉じる習性を持っています。さらに、雨が降りそうになって周囲が薄暗くなると同様に葉を閉じることから、現地では「レインツリー(Rain Tree)」という風情ある別名でも呼ばれています。
【場所とアクセス】ハワイ・オアフ島「モアナルア・ガーデン」の行き方と現在の観光事情
「この木なんの木」の撮影地として知られる場所は、アメリカ・ハワイ州オアフ島ホノルルにある歴史ある私有公園「モアナルア・ガーデン(Moanalua Gardens)」です。ワイキキの中心部から車で約20分、ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港)からは約10分という好立地に位置しています。
モアナルア・ガーデンはかつてハワイ王室のカメハメハ5世が所有していた由緒ある土地で、園内には広大な芝生と複数の巨大なモンキーポッドが生い茂っています。その中でも、日立のCMに採用されている木はひときわ美しく枝を広げており、公式に「日立の樹」として保存されています。
長年にわたりハワイ屈指の観光スポットとしてツアー客で賑わってきたモアナルア・ガーデンですが、近年は維持管理体制の強化が進められています。現在は有料の観光施設となっており、現地の保全活動を支える入場料を支払うことで、広大な敷地内で木陰に座りながら至福のひとときを過ごせます。訪れる際は、最新の開園時間や入場規定を事前に確認しておくのが確実です。
【「見たこともない花」の真実】CMでは見られないピンクの可憐な花の秘密
CMソングの歌詞にある「見たこともない花が咲くでしょう」というフレーズを聞いて、「あの木には本当に花が咲くのだろうか?」と疑問に思った方も多いはずです。
結論から言うと、モンキーポッドは実際に非常に美しい花を咲かせます。開花期は主に5月頃(初夏)と11月頃(秋)の年2回。枝の先端に、根元が白く先端が鮮やかなピンク色をした、細い糸状の雄しべが無数に広がるブラシのような形状の花を無数につけます。
CM映像では木全体の壮大なシルエットを捉えるためロングショットで撮影されており、花の存在を視認することは困難です。しかし、満開の時期に木の下へ足を踏み入れると、巨大な緑の傘のあちこちに淡いピンクの化粧パフのような花が咲き誇り、甘い香りを漂わせています。歌詞の通り、日本の日常風景では滅多にお目にかかれない幻想的な光景が広がります。
【名曲誕生秘話】小林亜星×伊藤アキラが紡いだ歌詞の裏側と歴代CMソングの歴史
「この木なんの木」の正式な楽曲タイトルは『日立の樹』です。この名曲を生み出したのは、昭和から平成の音楽界を牽引した作詞家の伊藤アキラと、希代のメロディメーカーである作曲家の小林亜星という黄金タッグでした。
制作が始まった1970年代初頭、日立グループは多種多様な事業を展開する総合電機メーカーとして急成長を遂げていました。「さまざまな分野で社会を支える人や技術が集まり、大きな一本の木(日立グループ)を形成している」という企業理念を、堅苦しい言葉ではなく誰にでも親しまれる歌で表現しようとしたのが企画の発端です。
伊藤アキラが紡いだ「名前も知らない木ですから 名前も知らない花が咲くでしょう」という詩は、まだ見ぬ未来の技術や可能性へのワクワク感を巧みに表現しています。これに小林亜星が覚えやすく温かみのあるメロディを授けたことで、半世紀以上愛される企業アンセムが完成しました。
ボーカル陣も時代とともに受け継がれており、初代の朝コータロー、ヒデ夕樹、シンガーズ・スリーをはじめ、2000年代以降はアカペラグループのINSPi(インスピ)が担当するなど、歴代のアーティストによって新たな息吹が吹き込まれ続けています。
【歴代CMの木と契約】実はハワイだけじゃない?歴代の木と日立の保護契約
「日立の樹」の歴史を紐解くと、意外な事実が浮かび上がります。現在でこそモアナルア・ガーデンのモンキーポッドが代名詞となっていますが、歴代CMの中にはハワイ以外の木やイラストが使われていた時代もありました。
1973年の初代CMは、実写ではなくアニメーションの木でした。実写化された後も、シンガポールのマンゴーの木や、アメリカ・ロサンゼルスのオレンジの木、ハワイ島の大樹など、歴代シリーズの中でさまざまな木が撮影対象となってきました。しかし、その中でも群を抜いて雄大でバランスが取れていたのが、オアフ島モアナルア・ガーデンのモンキーポッドであり、1989年の9代目以降、この木が定着しました。
モアナルア・ガーデンの木を維持・保全するため、日立グループは現地の公園信託企業と独占的な撮影・商業利用契約を結んでいます。支払われるライセンス料は、広大な庭園の維持管理や樹木の定期的な剪定、病気予防といった貴重な自然遺産の保護活動に充てられています。企業と地域社会が手を取り合い、持続可能な形で自然を守り続ける好例と言えます。
【この木なんの木】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本国内でもモンキーポッドを見ることはできますか?
A1:熱帯植物のため露地栽培は沖縄や小笠原諸島などに限られますが、本州でも大規模な植物園の温室(咲くやこの花館や夢の島熱帯植物館など)で観察できる場合があります。ただし、ハワイのように広大な敷地で横に大きく枝を広げた大木を見るのは温室内では難しいため、本来の樹形を体感するには現地ハワイが最適です。
Q2:モアナルア・ガーデンへ個人で行くにはどうすればいいですか?
A2:ワイキキからレンタカーやタクシー、配車アプリ(Uber/Lyft)を利用するのが最もスムーズで、所要時間は約20〜30分です。ホノルルの路線バス「TheBus」を利用してアクセスすることも可能ですが、最寄りのバス停から幹線道路沿いを歩く必要があるため、移動手段はタクシーやオプショナルツアーの利用が推奨されます。
Q3:樹齢は何年くらいですか?
A3:モアナルア・ガーデンにある「日立の樹」は、樹齢約130〜140年と推定されています。高さ約25メートル、枝の広がりは約40メートル、幹の周囲は7メートル以上にも及び、ハワイ州の「歴史的樹木(Exceptional Tree)」にも指定されています。
まとめ:世代を超えて愛される「日立の樹」の魅力と未来
日常のふとした瞬間に流れてくる「この木なんの木」の歌声は、単なる企業のコマーシャルを超え、時代をつなぐ文化的アイコンとして人々に親しまれています。その正体であるハワイ・オアフ島のモンキーポッドは、今も変わらず心地よい木陰を作り、訪れる人々を温かく迎え入れています。
歌詞に込められた「未来への可能性」と、大地に根を張る巨木の生命力。ハワイを訪れた際には、ぜひモアナルア・ガーデンへ足を運び、写真やテレビ画面だけでは味わえない圧倒的なスケールと、優しく揺れる緑の息吹を肌で体感してみてください。 (出典: この 木 なん の 木(Yahoo!ニュース))