50系プリウスのグレード選び決定版!前期後期の違いと中古車相場
2015年末の登場から現在に至るまで、圧倒的な低燃費と新世代プラットフォーム「TNGA」による走りの質感で日本のハイブリッド市場を牽引してきた50系プリウス。現行60系の登場から時間が経過した2026年現在、中古車市場におけるタマ数の豊富さと価格のこなれ具合から、「実用性とコストパフォーマンスを兼ね備えた実力派モデル」として再び熱い視線を集めています。
しかし、中古車市場を検索すると「E」「S」「A」「Aプレミアム」、さらにそれぞれに設定された「ツーリングセレクション」や多彩な特別仕様車が並び、どれを選べば良いのか迷う方が少なくありません。前期型と後期型でデザインだけでなく安全装備や内装の質感が大きく異なる点も、選択を難しくしている要因です。本稿では、自動車専門メディアの取材データと中古車相場の推移をもとに、50系プリウスのグレード体系、前期・後期の決定的な違い、そして後悔しないためのおすすめグレードを徹底的に解剖します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:基本グレードは「E・S・A・Aプレミアム」の4層構造。実質的な実用ベースは「S」、安全・快適装備の充実なら「A」が基準線となる。
- 要点2:2018年12月のマイナーチェンジを境にデザインが刷新されただけでなく、安全運転支援システム「Toyota Safety Sense」が後期型では全車標準装備化された。
- 要点3:2026年現在の中古車相場では、日常の快適性とリセールバリュー、安全性を総合すると「後期型Sセーフティプラス系」または「後期型Aツーリングセレクション」が最も満足度の高い選択肢となる。
【全体像】50系プリウスのグレード体系と価格・装備の決定的な違い
50系プリウスのグレード構成は、下位から順に「E」「S」「A」「Aプレミアム」の4つが基本骨格となっています。これに加え、「S」「A」「Aプレミアム」にはスポーティな足回りと上質な専用内外装を備えた「ツーリングセレクション(Touring Selection)」が設定されており、さらに駆動方式として2WD(FF)と電気式4WD(E-Four)が展開されていました(※Eグレードは2WDのみ)。
それぞれの立ち位置を端的に整理すると以下のようになります。
- Eグレード:「燃費世界一(JC08モード40.8km/L)」の数値を達成するために徹底的な軽量化を図ったエントリーグレード。燃料タンク容量の削減(38L)やリアスタビライザーの省略など割り切りが激しく、フリート・ビジネス需要が主。
- Sグレード:量販の中核を担うスタンダードモデル。実用的な快適装備が揃い、日常ユースから社用車まで幅広く支持されたベストセラー。
- Aグレード:上位モデルとして「ブラインドスポットモニター(BSM)」や「巻き込み警報機能付きインテリジェントクリアランスソナー」など高度な予防安全装備を標準化。運転席8ウェイパワーシートなども装備。
- Aプレミアム:最上級フラッグシップ。本革シート、ナノイー、前席シートベンチレーション(送風機能)、AC100V・1500Wコンセントなどを標準装備し、高級セダンに匹敵する居住性を実現。
- ツーリングセレクション:215/45R17タイヤ&専用アルミホイール、専用リアバンパー、合成皮革または本革シート、リアスタビライザーなどを奢ったスポーティ仕様。
【データ徹底比較】全グレードのスペック・燃費・2026年最新相場一覧表
新車当時の車両本体価格から、カタログ燃費、主要装備、そして2026年時点の中古車相場までを一覧表にまとめました。前期型(2015年12月〜2018年11月)と後期型(2018年12月〜2022年12月)で相場に明確な開きがある点に注目してください。
| グレード名 | 新車時価格帯(発売当時) | 2026年中古車相場(目安) | カタログ燃費(JC08 / WLTC) | 主要装備・安全機能の特徴 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| E | 約242万円 | 50万〜85万円 | JC08: 40.8km/L (WLTC非計測) | 15インチスチール、TSS非装着(前期)、燃料タンク38L、遮音材削減 | カタログ燃費特化型。装備が極限まで削られており、一般ユーザーの日常使いには不向き。 |
| S / Sツーリング | 約247万〜278万円 | 前期: 60万〜110万円 後期: 120万〜185万円 | JC08: 37.2km/L WLTC: 27.2〜30.8km/L | ファブリック/合皮、15/17インチアルミ、スマートエントリー(運転席・助手席・荷室) | 流通量最多の王道。コスト重視ならベストだが、前期型Sの中古はTSSの有無に注意が必要。 |
| A / Aツーリング | 約277万〜311万円 | 前期: 85万〜135万円 後期: 145万〜220万円 | JC08: 37.2km/L WLTC: 27.2〜30.8km/L | BSM、シンプルインテリジェントパーキングアシスト、パワーシート、HUD(ヘッドアップディスプレイ) | 安全性と利便性のバランスが秀逸。ロングドライブや市街地の車線変更で絶大な安心感を提供。 |
| Aプレミアム / ツーリング | 約310万〜348万円 | 前期: 105万〜155万円 後期: 170万〜250万円 | JC08: 37.2km/L WLTC: 27.2〜30.8km/L | 本革シート、シートベンチレーション(送風)、ステアリングヒーター、AC1500W電源 | 内装の豪華さはクラウン級。夏場に重宝するベンチレーション機能は長距離派にとって代えがたい魅力。 |
【前期・後期の違い】顔つきだけじゃない!劇的に進化した走行性能と内装の真相
50系プリウスを選ぶ上で、最も重要な分岐点が2018年12月のビッグマイナーチェンジ(前期と後期の境目)です。単なるフェイスリフトにとどまらない、実質的な全面改良が行われました。
1. エクステリアデザインの刷新と見分け方
前期型は「歌舞伎の隈取」とも形容されたアグレッシブな縦型デイライトと、Z字状に光る特徴的な縦長リアコンビネーションランプを採用していました。これに対し、後期型では横基調の端正なヘッドランプとテールランプへ変更され、誰にでも受け入れられやすいクリーンで落ち着いたデザインへと回帰しました。
外観からの簡単な見分け方は、フロントフォグランプ周辺の形状とテールランプの配置です。縦に細長く光るのが前期型、水平方向に広がりのあるデザインが後期型となります。
2. 内装の質感向上と「ホワイト加飾」の変更
前期型のインテリアは、ステアリング下部やセンターコンソールトレイに白い陶器のようなプラスチック加飾が施されており、ユーザーの間で「お風呂の便座・洗面台のよう」と賛否両論を巻き起こしました。後期型ではこのホワイトパネルが廃止され、落ち着きのあるピアノブラックおよびブラック加飾へと統一されたため、車内の上質感が飛躍的に向上しています。
さらに後期型では、上級グレードにナビゲーションとエアコン操作を統合した縦型の11.6インチT-Connect SDナビゲーションシステムがメーカーオプション設定され、先進的なコックピット空間が演出されました。
3. トヨタセーフティセンスの進化と標準化
前期型では上位の「A」「Aプレミアム」のみに標準装備され、「S」「E」ではメーカーオプション扱いだった衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P(TSS-P)」が、後期型では全グレード標準装備へと昇格しました。さらに昼間の歩行者検知機能に加え、夜間の歩行者や昼間の自転車運転者検知に対応するなど、センサーのセンシング性能自体も大きく引き上げられています。
【実態検証】買って後悔?「50プリウスの評判」とオーナーのリアルな本音
中古車市場で非常に人気が高い50系プリウスですが、購入後に「こんなはずではなかった」と後悔しがちなポイントも存在します。全国のオーナーの声と現場検証から見えたメリット・デメリットを整理します。
ここが気になる!購入前に知っておくべき弱点
- 後方および斜め後方の視界:空力性能を追求したダブルバブルウインドウと傾斜したリアガラスのため、後方視界には癖があります。特にBSM(ブラインドスポットモニター)非装着の前期S/Eグレードでは、死角への注意が必要です。
- 後席の頭上空間:低全高デザイン(全高1,470mm)の影響で、身長175cm以上の大人が後席に座ると、頭上スペースに若干の圧迫感を覚える場合があります。
- ツーリングセレクションの硬さとタイヤコスト:17インチタイヤ(215/45R17)を履くツーリング系は、ハンドリング性能と高速安定性に優れる反面、低速域の段差でコツコツとした突き上げを感じやすくなります。また、15インチに比べて将来のタイヤ交換費用が約1.5倍〜2倍近く高くなります。
乗って実感する圧倒的なアドバンテージ
- TNGAによる走りの質感:先代30系までの「フワフワして頼りない足回り」「安っぽいロードノイズ」から一変。低重心ボディとリアダブルウィッシュボーンサスペンションにより、欧州車に匹敵する直進安定性と吸い付くようなコーナリングを実現しています。
- 驚異的な実燃費:市街地でラフに運転してもリッター22〜26km/L、長距離巡航やエコランを意識すればリッター30km/L超を平然と叩き出します。燃料代高騰の時代において、この経済性は絶大な強みです。
一般に知られていない盲点と特別仕様車の狙い目モデル
50系プリウスの中古車を探す際、カタログ上の標準グレードだけでなく、歴代設定された「特別仕様車」を狙うのが玄人の買い方です。特に以下のモデルは、リセールバリューとコストパフォーマンスのバランスが飛び抜けています。
1. S “Safety Plus” / S “Safety Plus II”(前期・後期)
量販のSグレードをベースに、本来は上位グレードにしか付かない「Toyota Safety Sense」「インテリジェントクリアランスソナー」「ナビレディセット(バックカメラ等)」を標準付加した大ヒット特別仕様車です。新車価格が抑えられていたため中古車市場でも流通量が多く、「Aグレード並みの安全性を手頃な価格で手に入れたい」というユーザーにとって最高の選択肢となっています。
2. S “ツーリングセレクション・Black Edition”(後期最終型・2021年登場)
50系の完成形とも言える最終特別仕様車。ブラック加飾の17インチアルミホイール、ブラックマイカ加飾の内装、アルミペダルなどを備え、精悍なルックスと高い質感を両立しています。球数は少ないものの、状態の良い個体は高値で安定しており、将来的な値崩れが最も少ないモデルの一つです。
3. Aプレミアムの「シートベンチレーション」という隠れた至高装備
シートヒーターは多くの車に装備されていますが、シート表面から身体の熱を吸い込む「シートベンチレーション」は、当時の国産車ではクラウンやレクサスなどの高級車に限られていた装備です。猛暑が続く日本の夏において、背中やお尻の蒸れを瞬時に解消するこの機能のためだけに「Aプレミアム」を指名買いする中古車ファンも少なくありません。
【プロの結論】2026年中古で買うならどれが正解?おすすめグレードと判断基準
現在の相場動向、リセール、実用性を総合的に評価した、編集部公認の「失敗しない選び方」の結論を提示します。
【結論1】予算130万〜160万円前後で選ぶなら「後期型 S “Safety Plus II”」
コストと安全性を最優先するなら、後期型のSセーフティプラスII一択です。後期型の端正なルックス、全車速追従クルーズコントロールを含む先進安全機能、ブラック内装がすべて手に入り、予算に対する満足度が極めて高いベストバイです。
【結論2】予算160万〜200万円前後で走りと見た目を重視するなら「後期型 A ツーリングセレクション」
スタイリッシュな17インチアルミホイール、死角をカバーするBSM、運転席パワーシート、合皮シートが揃い、長距離ドライブでも一切の不満が出ません。所有満足度とドライブの快適性を求めるなら、このグレードが完成形です。
【プロの判定】おすすめできる人・見送るべき人の特徴
- 50系プリウスをおすすめできる人:
- 月間走行距離が1,000km以上で、ガソリン代を劇的に抑えたい人
- 高速道路の移動が多く、直進安定性と静粛性を重視する人
- 故障リスクが低く、整備性の高い完成されたハイブリッドカーに長く乗りたい人
- 他の車種を検討・見送るべき人:
- 頻繁に大人が後席に3人乗る、または車中泊を頻繁に行う人(カローラツーリングやノア/ヴォクシーが適正)
- 雪国で最低地上高の余裕が必要な人(SUVのヤリスクロスやカローラクロスが適正)
- 最新のコネクティッドナビや大画面ディスプレイオーディオを必須とする人(60系プリウスが適正)
【50 プリウス グレード】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:前期型の中古車は価格がかなり安いですが、買っても大丈夫ですか?
A1:機関系(エンジンやハイブリッドシステム)自体の耐久性は前期型も非常に高いため、走行性能面での心配はほぼ不要です。ただし、前期型の「S」や「E」を選ぶ際は、オプションの「Toyota Safety Sense P」が装着されている個体かどうかを車検証や現車スイッチで必ず確認してください。また、センターコンソールのホワイトパネルが好みに合うかも重要です。
Q2:ツーリングセレクションと標準グレードで迷っています。乗り味はどう違いますか?
A2:標準グレード(15インチ・195/65R15)はタイヤのエアボリュームがあり、段差を柔らかくいなすマイルドな乗り心地です。一方のツーリングセレクション(17インチ・215/45R17)は、ステアリング操作に対する応答性がシャープで高速巡航時のふらつきが少ない反面、路面の凹凸を拾いやすくなります。街乗り中心で乗り心地重視なら標準、高速道路を多用するならツーリングがおすすめです。
Q3:4WD(E-Four)モデルを選ぶメリットと注意点は何ですか?
A3:電気式4WDのE-Fourは、発進時から約70km/Lまでの速度域で後輪をモーター駆動させ、雪道や雨天の登坂路で優れたトラクションを発揮します。降雪地域にお住まいの方には必須の装備です。注意点として、2WDに比べて車両重量が約50〜70kg重くなるため、実燃費がリッター2〜3kmほど低下すること、中古相場が2WDより10万〜20万円高めになることが挙げられます。
Q4:燃費が一番良いEグレードの中古車を買うのはありですか?
A4:一般ユースにはあまりおすすめしません。Eグレードは徹底的な軽量化のために防音・遮音材が削られており、車内のロードノイズが他グレードより明らかに大きいです。さらにリヤアームレストや運転席シートリフターの省略、燃料タンクの小型化など日常の利便性を損なう仕様となっています。わずかな燃費の差以上に「S」以上の満足度が高いため、Sグレード以上を選ぶのが賢明です。
まとめ:予算と用途で選べば50系プリウスは今なお最高の相棒になる
50系プリウスは、デザインの好みが分かれる前期型から、洗練度を極めた後期型へと成熟を遂げた、トヨタのハイブリッド技術の集大成です。2026年の中古車市場では相場が底値圏で安定しており、維持費の安さと走りの質感をこれほど高い次元で両立しているモデルは他に類を見ません。
日常の足としてコスパを極めるなら「後期型Sセーフティプラス」、快適性と安全装備を妥協なく求めるなら「後期型Aツーリングセレクション」を基準に探してみてください。ご自身の走行距離や使用シーン、予算に合わせて最適なグレードを見極めることで、後悔のない満足度の高いカーライフが手に入るはずです。 (出典: 50 プリウス グレード(Yahoo!ニュース))